銀行によって、外貨預金は高金利だと謡っているところがありますが、実際のところどうなのでしょうか?日本円に比べれば、確かに外貨のほうが金利は高くなるでしょう。しかし、そんなに大きくかわるのか疑問があります。そんな外貨建て預金について解説していきます。
外貨建て保険は高金利なのか?
楽天銀行のHPに外貨ごとの預金金利の記載があります。(詳細はこちら)
※これは外貨の定期預金金利です。
確かに日本円と比べると圧倒的に金利が高くなっています。豪ドルで最大20%、人民元に至っては最大40%もあります。
これは儲かると思った方、ちょっと待ってください。
よく表をご確認ください。金利は日を追うごとに低下していくことが読み取れます。7日、14日、1ヵ月、3か月とどんどん金利が下がっていき、3か月で最低金利に到達します。この最低金利でも日本円よりは、高いことは事実ですが・・・
金利が最高に高いのは7日とあります。これは、年率〇%のうち、7日分は40%で計算しますよという意味です。人民元を例に、1年分の金利を計算してみます。
40%× 7/365(0~7日まで) + 20% × 7/365(8~14日まで) + 8% × 16/365(15~30日まで)
+ 3% × 30/365(31~60日まで) + 1.5% × 305/365 = 2.957%
最初の1年は約3%、それ以降は1.5%です。これを高いととるか、低いと取るかは個人の判断次第です。
外貨建て預金のリスク
円預金と違って、外貨建て預金は、円換算したときに元本割れする恐れがあります。そのリスクについて解説します。
為替手数料
円を外貨に換えて預ける場合も、満期後に円に両替する場合も、為替手数料を取られてしまいます。円を外貨に換える必要があるため、しょうがないですが、預金として考えると手数料は少ないほうがいいですよね。
現時点だと、アメリカドルで1ドルの両替に25銭、人民元で1元で20銭の為替手数料がとられます。片道料金がこの手数料ですので、最終的に日本円に戻すときにまた同様の手数料がとられます。
たとえば、1万ドルの定期預金をする場合を考えてみると、往復で1万ドル x (25+25銭)=5000円の為替手数料が発生してしまいます。
外貨預金は金利は高いですが、このように固定的に発生するコスト(手数料)があることに注意が必要です。
為替変動
通貨の価値は刻一刻と価値が動いています。この通貨の価値の動き方によっては、日本円に戻した際に元本割れする可能性が発生します。
例えば、1ドル=100円で1万ドル(100万円相当)を定期預金に預けておき、年利1%の利息を受け取ったとします。1年後に受け取るドルは、1万×1.01 = 10,100ドル
この時、為替変動により、1ドル=90円になっていた場合、日本円にもどすと、
10,100ドル × 90円/ドル = 909,000円
なんと、10%も減ってしまいました。実際にはここに為替手数料も乗ってくるので、更にマイナスになります。しかし、逆のことも言えて、1ドルが110円のときに円に交換することができれば、10%儲けることができます。
安定を求めているのであれば、オススメはできません。
預金保護制度の対象外
日本円で預金してあれば、もし銀行が破綻しても「預金保護制度」によって、一定額は守られます。しかし、外貨預金では、この預金保護制度の対象外となる場合もあります。この点からも安定を求めているのであれば、オススメできません。
投資としてなら?
預金と考えると安全ではなく、ギャンブル的な要素が含まれてしまいます。しかし、中国人民元の定期預金であれば、年利1.5%と銀行預金ではありえないリターンがあります。中長期的に預金を続けられ、預け入れた時よりも、円安に傾いたときに円に戻すことができるのなら、投資として運用するなら、ありなのではないかと思います。
個人的には、年利1.5%であれば、積立NISAなどを使って投資信託を買ったほうがリターンも大きくなると考えるため、外貨預金ではなく、投資信託に投資したほうがよいと思います。
まとめ
たまに銀行から、高金利な外貨預金はどうですかと案内が来るので、紹介しました。何も調べず、高金利につられて預金すると、思ったより増えない or 減ってしまったなど、後悔することになると思います。
どんなこともそうですが、自分の知らないことに手を出さないほうが良いです。知識はあって損することはないので、新しいことを始めるときはまず、勉強しましょう。
以前、似たような記事(外貨建て保険)を書いていますので、参考にしてください。
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