7月後半になり、株価の下落が始まっています。今後も下落するかどうかは分かりませんが、新NISAから投資信託を始めた人は不安になることでしょう。しかし、投資目的が長期運用であるのなら、売ってはいけません。
今回は、下落しても売ってはいけない理由と下落しても耐えられる精神力のつけ方について実体験を踏まえお話しします。
令和6年7月現在のチャートの状況
おそらく、多くの人が買っているであろう、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のチャートを見てみると、7月前半をピークに下落していることがわかります。
率で見ると、およそ1割下落したこととなります。単純計算ですが、100万円投資していた人なら、10万円の損失が出たことになります。
しかし、実際に売り注文を行い、売れるまではその損失は確定しませんので、含み損ということになります。ここで売ってしまうと、今後上昇したとしても手元に株がないので、損失を確定しただけになってしまいます。
売ってはいけない理由
株価は上昇することもあれば、下落することもあります。ずっと上がりっぱなしということはありえません。過去約50年のS&P500指数のチャートをみてみると何回も下落していることが分かります。しかし、いずれにしても、下落の後、回復し、更に上昇しています。
今後も同じように回復して上昇するとは限りませんが、上昇する可能性は高いと思います。長期投資が目的であり、今後もアメリカが成長すると考えている方であれば、今売ってしまうのは得策ではありません。
1950〜2020年の米国株価指数のS&P500に投資した期間と年平均のリターンの幅を分析すると、15年以上の投資期間であれば、いつから始めたとしても損しないという結果になるそうです。
(参照:「インデックスファンドへの長期投資」が鉄板と言われる理由|資産形成ゴールドオンライン (gentosha-go.com))
下落に耐えるためには?
投資を始めたばかりの頃は、下落すると不安になり、売りたくなるものです。資産形成で失敗する人のほとんどが、下落時に売ってしまうことが理由のようです。
では、どうすれば売らずに済むでしょうか?私が実践した方法と提案をいくつか紹介します。
1.少額から始める
少額から投資を始めることで、下落したとしても損する金額が少なくて済みます。例えば、100万円投資していて、1割下落すれば、10万円の損失ですが、10万円の投資なら1万円の損失で済みます。
少額から徐々に積み上げていくことで、相場の波(上がったり、下がったり)を経験できますので、値動きに慣れてきます。私もコロナショック時には売りたくなりましたが、少額からの投資であったため、損失額が多額ではなく、耐えることができたので、売らずに済みました。また、下落から回復し、資産額が大きく増える体験もできたので、下落しても売らない方がよいと思えるようになりました。
2.運用成績を見ない
少額でも下落が耐えられない方は、運用成績を確認しないことがよいと思います。ほったらかしにする人のほうが運用成績がよかったなんて話を聞くくらいですから、積立設定だけして、あとは放置するのが精神的にも楽かもしれません。
私は、運用成績を見てしまう方ですが、見なければ下がったことすら知らないので、安心感はあると感じました。
そうは言っても、証券会社のIDとPWを忘れてしまうというのはやりすぎだと思います。もし、余剰資金で投資を行うことが鉄則ですが、不測の事態で急にお金が必要になった際に取り崩せないのも危険なので、ログインしなくても、いつでもログインできる準備はしておきましょう。たまに証券会社から重要なお知らせが来るかもしれませんし。
3.買い増しする
下落しているということは、安く株を買えるチャンスでもあります。毎月定額を積み立てた場合、下落相場のほうがたくさん買えるのと同じ理屈です。
しかし、これは投資を経験し、更に余剰資金がある方向けだと思いますので、そこまでお勧めはしません。まずは、こつこつ定額を積み上げていくことが大切だと思います。
まとめ
長期投資が前提であるならば、下落したからと言って、すぐに売るのは得策ではありません。過去の結果を分析すると、15年以上の長期でS&P500指数に投資すれば損しない結果となっていますので、売らずに辛抱しましょう。
そもそも短期でお金を増やしたい人に投資信託は合わないと思いますので、そういう方は別の投資を検討したほうがよいと思います。しかし、その分リスクを取らなければいけないことは覚悟が必要です。
私は、再現性高く資産を増やすことができる低コストの優良な投資信託への長期投資をお勧めしていますし、自分もそれに投資しています。
よろしければ、過去の運用成績をまとめていますので、見てみてください。まだ、5、6年しか投資できていませんが、コロナショックを乗り越え、全銘柄プラスの運用状況です。特別なことはなく、ただただ毎月積み立てを続けているだけです。
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