50代からの老後資金の考え方:投資は必要?

50代からの老後資金の考え方:投資は必要?

 親の定年が見えてきて、老後資金の作り方について、相談されました。いままで、親の老後資金について考えたことはなかったので、考えるいい機会になりました。現時点の私の考えをまとめましたので、参考なれば幸いです。

老後資金がある程度貯まっている場合 → 投資不要

 「積立NISA」「iDeCo」と優遇税制の投資制度もありますが、老後資金とするためには、運用期間が長くないことので、元本割れのリスクを背負ってまで投資をする必要はないと考えます。
 投資したほうがよいのではと言われそうですが、インデックス投資であっても長期投資でなければ負ける可能性が出てきてしまいます。老後資金が目的であれば、失敗するのはまずいですよね。
 では、どうすればよいのでしょうか?私が良いと思うのは以下のとおりです。

・生活費を見直し、生活費を抑えられるようにしておく
・金利の高い銀行に預けておく
・個人国債を購入しておく
・年金受給を最大まで繰り下げる

 年金受給を65歳から遅らせる「繰り下げ受給」を選択することで、1月あたり0.7%・70歳まで可能なので、最大で42%受け取り可能額を増加させることができます。現時点で、ある程度資金があるかたは、年金を最大まで繰り下げて受給できるように、そこまでは上述した安全性の高い資産運用で少しでも資金を増やし、切り崩して生活するのがよいかと思います。
 ここ数年で定年を迎える方々は、利率のすごくいい時期に個人年金保険に加入している可能性もありますので、そこからの受給もあれば、投資のリスクを負わずとも生活していけるのではないかと思います。

老後資金が貯まっていない場合

 定年までの残り年数にもよりますが、投資によって短期間で資金を増やそうとすると、ハイリスクハイリターンの危険な取引をする必要が生じてしまいます。成功すればよいですが、失敗したときに立ち直れない恐れがあります。
 私は以下の対応がよいのではないかと思います。

・再雇用を受け、年金受給まで働き給与を得る
・生活費を見直し、生活費を抑えられるようにしておく
・できるところまで年金受給を繰り下げる

 早く仕事から解放されたいと思われるかたも多いと思いますが、投資で一発逆転は難しいです。地に足付けて、働くのが無難だと思います。しかし、倹約し、収入以下の生活費にできれば、その分貯金できますので、頑張りによっては働く期間を短縮できる可能性はあります。

注意~絶対にやってはいけないこと

 絶対にやってはいけないことがあります。それは、

「退職金をすべて投資に使うこと」

 退職金でまとまったお金が入ってくると、金融機関から美味しそうな話がある可能性がありますが、聞いてはいけません。金融機関はボランティアではありません。金もうけのために、自分たちの利益になるぼったくり商品をあたかも、もうかる優良商品かのようにプレゼンしてくるかもしれません。信用してはいけません。
 退職金は重要な老後資金です。金額によっては、生活費を抑えて、うまく切り崩していけば、繰り下げ受給開始まで耐えれるかもしれません。ぼったくり商品でなくなってしまった場合は・・・。取り返すがつかないかもしれません。間違っても個別株やFXにつぎ込むことはやめましょう。

まとめ

 年金は最大まで繰り下げ受給することで、42%も受給額が増えます。5年で42%も受給額が増えるということは、ノーリスクで年利8%の運用をしたようなものです。投資でこのリターンを得ようとしたら、リスクの高い商品を扱う必要が出てくるでしょう。
 定年が見えてから、無理して投資するよりも、倹約で貯蓄を増やし、年金を繰り下げ受給するのがよいのではないかというのが私の考えです。参考までに。

※個人によって、状況が違うので、一概には言えませんし、ここに書いたのはあくまで私の考えです。

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